月刊バスケットボール6月号

日本代表最年少18歳の川島悠翔がA代表デビュー戦で見せた“大物ぶり”

「前半は緊張していて…。でも2回目の交代から雰囲気にもアジャストできて、チームメイトの皆さんも声をかけてくれたので緊張が解けました。プレーできて楽しかったですし、うれしかったです」

 

2月22日に実施されたFIBAアジアカップ2025予選Window1のグアム戦。相手に流れを奪われる時間帯はありながらも、後半から激しいディフェンスを仕掛けた男子日本代表は、逆転からリードを広げて7756で勝利した。

 

試合後、冒頭のように語ったのはチーム最年少の18歳・川島悠翔だ。昨秋、若手中心のメンバー構成となった第19回アジア競技大会には出場したが、トム・ホーバスヘッドコーチ体制の代表チームとしてはこれがデビュー戦。昨年からNBAグローバルアカデミーに転入して腕を磨き、「久しぶりに会ったのですが、本当に伸びて上手になった。合宿でもビッグマンの中に当たり前に入っています」とホーバスHC

 

その期待に応えるように、川島はこのグアム戦、約14分の出場で6得点、3リバウンド、2アシスト、1ブロックを記録。ダイブして富樫勇樹や河村勇輝と合わせたり、力強いドライブを披露したりと、積極的な姿勢で自らの持ち味を発揮した。惜しくもブザー後でノーカウントだったものの、試合終了時にダンクシュートをたたき込んで会場を沸かせる場面もあり、「次は時間内にしっかり決めたいと思います」と笑顔で意気込む。
 
一方、手応えだけでなく、次につながるいくつかの課題も得た。「相手が跳ぶ選手と分かっていたのにそのまま攻めてブロックされてしまったので、もっとポンプフェイクなどを使って力強くフィニッシュできるようにしたいです」「相手がベースラインにロールしてくるのはスカウティングで知っていたので、もう少し方向付けできていたら止められたかなと思います」と、試合後すぐに課題と具体的な対策を述べていた川島。福岡大附大濠高時代、片峯聡太コーチが「頭がいい選手。大舞台でも落ち着いて、工夫や状況判断を試して成長しようとするところは大物ですね」と評していたが、その“大物ぶり”は日の丸を着けても変わらぬ様子だ。


25日の中国戦でも、「(出場の)チャンスがあれば、中国は絶対に身長も大きいですし、リバウンドのところで日本は不利だと思うので、もっと今日よりもリバウンドにフォーカスしてプレーしていきたいと思います」と川島。クレバーな状況判断能力とフレッシュな積極性をあわせ持つ18歳の“大物”は、底知れぬポテンシャルを秘めている。

 

 

 

 



写真/山岡邦彦 取材・文/中村麻衣子(月刊バスケットボール)

タグ: Akatsuki Japan

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